RESULT
このたびは、T3 NEW TALENTにご応募いただきありがとうございました。3月27~28日の公開審査を経て、第一回 T3 NEW TALENTの受賞者が決定いたしましたのでご報告申し上げます。
新進作家(2名)
宮地 祥平
中堅作家(3名) 千賀 健史
鈴木 麻弓
THE COPY TRAVELERS
2025.03.10 結果発表
FINALIST
この度、T3 NEW TALENTは、多数の応募者の中から厳正なる審査の結果、新進作家10名、中堅作家6名、合計16名のファイナリストを選出いたしました。選出された作家の皆様には、3/27(木)、28(金)の両日に東京都写真美術館1Fホールで行われるプレゼンテーションにご参加いただきます。その後、審査員によるディスカッションを経て、28日中に最終選考結果として新進作家2名、中堅作家3名が選ばれます。
新進作家(10名)佐方 晴登
菊田 真奈
遠藤 文香
寺田 健人
尾形 翔悦
宮地 祥平
南川 恵利
吉田 多麻希
登 万里子
TETSUTA TSURUMOTO
中堅作家(6名)千賀 健史
頭山 ゆう紀
堀井 ヒロツグ
兼子 裕代
鈴木 麻弓
THE COPY TRAVELERS
第一次審査を終えて
改めまして、このたびは、T3 NEW TALENTにご応募いただきありがとうございました。今回の第一次審査がどのような観点で実施されたかをサマリーさせていただきます。まず、新進、中堅いずれについても今回の選考では、キュレーター、評論家、写真家などグローバルに活躍される審査員がそれぞれの立場の多様な視点から、作品のテーマやコンセプト、技法、表現方法の点で傑出し、独自性を備えた作家を評価することをベースにしています。
その上で、ディスカッションの中では、日本の、さらには世界の写真史の文脈において、どのような意味を持ち、どこに位置づけされる作家であるか(となるか)を各審査員が吟味している様子が窺えました。
また、今回のプログラムはアワードを授与しておしまいではなく、その後に続く成長のプロセスを重視しています。とりわけ「展示」が大事な要素となりますので、インスタレーションとしての表現力も。
新進作家については、これまでに見たことのない新鮮さ、オリジナリティ、時代性、そして経験が浅く荒削りであったとしても、視点のユニークさなどが評価のポイントとなりました。「写真」と呼ばれる表現行為の領域が拡大しているいま、既成概念に囚われることなく取り組んでいる創作の姿勢、例えばテクノロジーを積極的に取り入れることも、伝統的なアプローチや古典技法での制作も、いかなるスタイルも、等しくフラットに捉えて評価されました。
中堅作家に関しては(予想されていたことではありますが)、「中堅」というカテゴリーを作家自身がどう捉えるかによって、各人のキャリアには幅がありました。ただ、今回は推薦を応募条件としていたため、幅はありながらも非常に優秀な作家が揃いました。
今回この部門を設けた背景には、日本において若手作家には登竜門的なアワードやポートフォリオレビュー、展示、ワークショップなど一定のチャンスがあるものの、中堅作家になると、その後のキャリアを形成していくサポートが少なくなる傾向が見られます。
こうした現状を踏まえて、才能が認められながらも、いわゆる「中堅の壁」に直面していると感じている作家やここまで築き上げてきたキャリアをさらに一段スケールアップさせたいと考えている作家に目を向けました。その中から、特にNEW TALENTのメンターによるサポートが今後の大きな飛躍につながるであろう人材を選ぶという観点で、選考が進められました。その上で、応募作品を含むこれまでの実績も加味しながら、活発な議論が繰り広げられての選考結果となったことをご報告します。
今回選ばれなかった作家たちの中には、諦め難い人たちも数多くいましたが、単なる優劣だけの評価に止まらない、ここから未来の成長を見据えた、T3 NEW TALENTらしいファイナリストになったと思います。
ここから最終プロセスとなる公開審査を経て、第一回の受賞者たちが選ばれるのを楽しみにしています。
Director: 太田睦子(IMAエディトリアルディレクター)