美術批評家部門

CRITICS


DIRECTOR COMMENT

19世紀に登場して以来、写真は長い間時代の記録者としての役割を果たしてきました。しかし急速な情報化を始めた社会によって次第にその役割を変えており、現代の写真の定義は拡大され、写真が置かれる状況はより複雑化し多義的になっています。本事業ではそうした点をふまえ、写真の属性を様々な視点と立地から分析し、意義と役割について問い直す力を持った若手批評家2名を対象者とします。
高嶋 慈は、ジェンダー、クイア、フェミニズムに軸を置きながら、その視線は柔軟で多点的であり、常に社会全体に向けて開かれています。関 貴尚は、写真を重要な要素として用いた60年代のフォトコンセプチュアリズムの視点から写真をメディアとして捉え、写真の有用性を用いてアートの文脈から写真批評を試みます。本事業を通して、二人が現代美術と写真の間を横断的に批評を展開し、グローバルなネットワークを構築し、写真が持つ豊かなポテンシャルを我々に示してくれることを期待しています。
Director: 千葉 由美子(美術批評家部門)

関 貴尚  高嶋 慈